Cloudflare DNS設定ガイド

Cloudflare DNS設定ガイド

別の業者で管理しているドメインのDNSサーバーだけをCloudflareに変更する方法と、その後の運用方法について解説します。

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この設定により、ドメイン登録は現在の業者のまま、DNS管理だけをCloudflareの高性能なインフラに移行できます。

移行の流れ

移行は以下の5つのステップで完了します。各ステップは順序通りに実行する必要があります。

Cloudflareアカウントの準備

まず、Cloudflareにアクセスしてアカウントを作成します(既にお持ちの場合はこのステップをスキップ)。アカウント作成後、ダッシュボードにログインして次のステップに進みます。

ドメインをCloudflareに追加

Cloudflareダッシュボードで「サイトを追加」ボタンをクリックし、管理したいドメイン名を入力します。次にプランを選択しますが、個人利用であればFreeプランで十分な機能が提供されます。

ネームサーバー情報の取得

ドメインを追加すると、Cloudflareがあなたのドメイン専用に2つのネームサーバーを自動的に割り当てます。これらは通常以下のような形式で表示されます:

xxx.ns.cloudflare.com
yyy.ns.cloudflare.com

この情報は次のステップで必要になるため、必ずメモしておいてください。

ドメイン管理業者での設定変更

現在ドメインを管理している業者の管理画面にログインします。ネームサーバー設定またはDNS設定のメニューを見つけて、現在のネームサーバーを先ほど取得したCloudflareのネームサーバーに変更します。

主要なドメイン管理業者の設定手順:

設定変更後、必ず「保存」または「適用」ボタンをクリックして変更を確定してください。

設定の確認と完了

ネームサーバーの変更は、DNSの性質上、完全に反映されるまで最大24時間程度かかる場合があります。変更が完了すると、Cloudflareのダッシュボードでドメインのステータスが「アクティブ」に変わります。

この時点で、必要に応じてDNSレコード(A、CNAME、MXレコードなど)を設定して、WebサイトやメールサービスがCloudflareを通じて正常に動作することを確認してください。

Cloudflare移行後の運用

サブドメインの管理について

Cloudflare移行後は、DNS管理がCloudflareに完全に移管されます。これは重要なポイントで、今後サブドメインを追加する際の運用が従来と変わります。

⚠️
レンタルサーバー側でサブドメインを追加しただけでは、インターネット上でそのサブドメインにアクセスできません。DNS(ドメインネームシステム)の問い合わせが全てCloudflareに向かうためです。

サブドメインが正常に動作するためには、レンタルサーバー側の設定CloudflareのDNSレコード追加の両方が必要になります。

サブドメインを追加する手順

新しいサブドメイン(例:blog.example.comshop.example.com)を追加する際は、以下の手順で行います。

レンタルサーバー側での設定

まず、お使いのレンタルサーバーの管理画面にログインし、通常通りサブドメインを追加します。この設定により、サーバーがそのサブドメインでのリクエストを受け付けられるようになります。

CloudflareでのDNSレコード追加

  1. Cloudflareダッシュボードにログイン
  2. 対象ドメインを選択
  3. **「DNS」**タブをクリック
  4. **「レコードを追加」**をクリック
  5. 必要な情報を入力:
    • タイプ:通常は「A」または「CNAME」
    • 名前:サブドメイン名(例:blog
    • コンテンツ:レンタルサーバーのIPアドレスまたはサーバー名
    • プロキシ状況:セキュリティ機能を使用する場合はオン(オレンジ雲マーク)

設定例

以下は一般的なDNSレコードの設定例です:

Aレコードの場合
タイプ: A
名前: blog
コンテンツ: 123.456.789.012  # レンタルサーバーのIPアドレス
プロキシ: オン/オフ(必要に応じて)
CNAMEレコードの場合
タイプ: CNAME  
名前: blog
コンテンツ: server.example-hosting.com  # レンタルサーバーのサーバー名
プロキシ: オン/オフ(必要に応じて)

移行時の重要な注意点

事前準備の重要性

🚨

移行前に必須の作業

ネームサーバーを変更する前に、現在のDNS設定(Aレコード、MXレコード、CNAMEレコードなど)をすべてメモしておいてください。そうしないとWebサイトやメールサービスが停止してしまいます。

特に重要なレコード

移行後の運用ルール

Cloudflareへの移行が完了した後は、以下のルールを徹底してください:

📝

新規サブドメイン追加時の手順

  1. レンタルサーバー側でサブドメインを追加
  2. 必ずCloudflareのDNSレコードも追加
  3. 両方の設定が完了するまでは、そのサブドメインは動作しません

この手順を忘れると、サブドメインが「存在しないドメイン」として扱われてしまいます。


この設定により、ドメインの登録・管理は現在の業者のまま維持しながら、DNS管理だけをCloudflareの高性能で安全なインフラに移行することができます。移行後はWebサイトの表示速度向上、DDoS攻撃からの保護、無料SSL証明書など、多くのメリットを享受できるようになります。